Nightwish New Album Listend to by Finnish Media (Iltalehti)
Nightwish ニュー・アルバムを聴く (Iltalehti) (2007年6月15日)
Nightwish はフィンランドのマスメディア代表を Fommvox Studios に招いてアルバム“Dark Passion Play”を披露した。Tuomas Holopainen と新人シンガー Anette Olzon は初めて外部の人間が聴くということもあり、明らかにナーバスな様子だ。「皆さんの顔を見る勇気が出なかった」リスニング・セッションも半ばに来た頃、Holopainen はそう打ち明けた。
グループに訪れた嵐は、このアルバムへの見通しの悪さを吹き飛ばしてしまった。Holopainen が語るように、このアルバムにはソウルから溢れ出たものが深く刻み込まれている。 “Bye Bye Beautiful”や“Master Passion Greed”の歌詞からはフラストレーションが垣間見え、その行間からは罪への非難も窺わせる。しかしながら Holopainen は作曲中に Tarja Turunen や Marcelo Cabuli のことが頭にあったのかどうかなど分析されることを望んでいない。「今まで歌詞について説明してきたことはないし、今も語る気はない。」
アルバムにラジオ向けのヒット・パレートを望んでいる人は、オープニング・トラックが14分の大曲だと知ってがっかりするだろう。次のシングル“Amaranth”はいくらか馴染みやすい曲になっている。アルバムが進むにつれ、Nightwish が「過度の芸術的傾向」に陥ってはないことが明らかになってくる。アルバムを構成する要素は今も多様で、人の心と体に訴えかけてくるところも変わってはいない。
とは言うものの、Holopainen 自身が語るとおり、1回聴いただけで100%の評価を下すのは困難だ。アルバムを評すには繰り返し聞く必要がある。「今まで同様、曲には壮大な編曲を施した――それはオーケストラであり、ティンパニであり、少年合唱団であり……」
さらに明らかになったことは、新シンガー Anette の歌声への疑念が払拭されたということだ。Tarja の歌声がラップランドのフィヨルドに流れる氷のせせらぎを思わせる冷厳さだったのに対し、Nightwish に暖かさをもたらしているのは事実である。最終曲“Meadows of Heaven”を聴くと鳥肌が立つのを感じるのだ。