Interview with Anette

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Anette インタビュー(2007年5月24日)

音楽的にどのような経歴がありますか? バンドで歌った経験はありますか?

音楽的な家族に生まれ育ったの。子どもの頃から歌い続けてて、ママに無理矢理オーボエを8年間も習わされてた! ママのバンドと一緒にツアーをして、時々一緒に歌ったり。13歳の頃からタレントの発掘番組に出場したりもした。

Anette with Alyson Avenue

初めてのバンドはカバー・バンドで、名前は Take Cover。私は17歳で、メンバーは全員年上だった。それから加入したのが Alyson Avenue というバンド。最初はただのスタジオ・シンガーだったんだけど、だんだんバンドを引っ張るようになって、2000年からアルバムを2作リリースした。21歳のときにはヘルシングボリの Gränsland っていうロック・オペラ(ミュージカル)の主役をもらったこともある。それからゴーセンバーグの Balettakademien に入ってたくさんのバンドやクワイアで歌って、スタジオの仕事をやりながら結婚関連の仕事もした。最近では Michael Bormann(元 Jaded Heart)のアルバム“Conspiracy”でデュエットもしてる。

歌のレッスンはコペンハーゲンの Music Conservatory で受けてたことがあって、その時もプライベートで先生についてもらったんだけど、今でも必要なときはマルメ音大で習ってる。ほとんど全てのジャンルの歌を歌ってきたわ。

Nightwish の新しいシンガーになるまでの道のりを教えてください。デモを送り、初めて返答をもらい、初めてメンバーに会ったときのことなど。

Nightwish を初めて聴いたのは Tarja がやめさせられるほんの数か月前だから、バンドの歴史は全然知らなかった。このバンドのことを知ったのは姪がファンだったから。私は常に新しい音楽に興味を持ち続けていたから、これは聴いとかなきゃならないだろうって感じたの。コンピレーション・アルバムを聴いて、すぐにファンになったわ。Tarja の脱退を聞いたときは ABBA のカバー・バンドをやってて、そこのサウンド・エンジニアが「応募してみたら」って言ってくれたの。でも私はクラシック歌手じゃないからやめておいた。でもそのあと少し考えてから友達二人に Ever Dream のバックをレコーディングしてくれるよう頼むことにした。そのまま練習もせずにスタジオに入って……自分が感じたままの解釈で歌いたかったから。数時間かけて完成したわ。Tuomas のメールを見つけてデモを送ったら、ちょうど1週間後に本人から返事があって……彼は感激してくれたみたいで、私の声と歌を好きになってた! ああもう本当に素晴らしいメールで、私ももちろんハッピーで……それから彼はもう3曲歌ってくれるように言ってきて、数週間後にOnce のインストゥルメンタル・バージョンが送られてきた。それで録音したのが Nemo、Higher Than Hope、Wish I Had An Angel。あとおまけで Kuolema Tekee Taiteilijan も……ダメなフィンランド語で笑い転げたに違いないけど…… ;=)

2本目のデモを送ったときは、Tuomas に受け取ったかどうかメールしたの。彼は、ちゃんと受け取りましたよ、ありがとう、とてもすばらしい……みたいな返信をしてくれた。急かすつもりはなかったけど、最初のメールの時に、気楽にやりたいし、マスコミも加熱しすぎてるから、って言ってきてたから……なるがままにしてただ待つことにした……。で、3月になってデモ募集の広告を打ち始めたから、もっとデモを送らなきゃいけないのかなと思って Tuomas に確認しようとメールしたら、最悪なメールが返ってきたの。そこには「あなたが最有力候補の一人だったけど、この仕事はちょっと無理かも」って!!! すごくショッキングで、何が何だか分からなくなって、彼は何を言っているんだろうって……それで自分の年のせいなのかとか子どもがいるからなのかとか色々考えちゃって……でも私は強情だからこれも運命だと信じて、夏に私のバンド Alyson Avenue のライブDVDを送っていいかどうかメールで聞いたの。そうしたら送っていいと返事をもらったので郵送したのが8月。今度は Ewo からメールが来て色々質問されたので返信した。その後9月の初めになってみんなと直接会って歌ってみないかと誘われたの。もちろん行ったわ。メンバーと会って、昔の歌を5~6曲やったの。翌日は Emppu のスタジオで新曲を歌った。手応えはとてもよくて、それにみんなとても素敵な人ばかりだった。彼らは地に足が着いた人たちだしユーモアのセンスもばっちりだから彼らと一緒に仕事をしてみたい、とすぐに思ったわ。その日の晩にカストラップ空港に着いたら Ewo から SMS をもらって、「みんな気に入ってくれた。1か月後にまた会いたい」ってあって……とーっても嬉しくて、帰り道で泣いちゃった。

10月にまたスタジオに入る前に練習用に何曲か音源をもらっていた。最初にキテーにある Tuomas の島に行ってみんなでパーティをしてリラックスできたのは素敵なことだった。私も田舎娘だからキテーはとても居心地が良いし、それに Tuomas が所有する特別な場所へ招待してもらったというのはとても光栄なことだった。キテーを離れてから Tuomas と一緒にテスト写真を撮ったの。メークアップ・アーティストとすばらしいカメラマンが付いてね。それからスタジオに行って歌を録音して、6日間滞在したフィンランドを発って家に帰ったわ……。その夜に Tuomas からメールをもらって、決定は来年なので待ってくれるように知らせてきた。私は待った。もちろんどうなるか心配だったけど、みんなや Ewo とはコンタクトをとり続けてて、とてもポジティブだったし良い感触だった。

1月30日に Tuomas が電話してきて、いろいろと喋った後にこう言ったの。「これから先の数年間、忙しくしてもらうことに決めたよ」……アハハ! 彼は穏やかな口調でそう言ってくれたから私は叫び出したい気分になったけど、頑張って抑えて。でも話を続けていても上の空で彼の話は耳に入ってこなくて……1年半も待ち続けて念願の職を手に入れたと言うことを理解できるまで何週間もかかってしまった。

Nightwish feat. Anette

Tarja が去って Nightwish は終わった、と言うファンについてどう思いますか?

ファンが心配しているのはとても良く理解できる。だってシンガーというのはバンドとってとても重要な存在だから。でも同時にバンドはメンバーのものだと思うし、バンドのメンバーがともに旅を続けようと決めたんだから。ファンはそんな彼らと私とともに居続けてくれたらと思うし、ニュー・アルバムにもチャンスを与えて欲しい。バンドの全てが変わってしまった訳じゃない――音楽、詞、フィーリングは以前と変わらずそのままで、ただ歌が私に変わっただけだから。

あなたのプロフィールがいよいよ公表される日が来ますが、どのような気持ちですか? 期待していますか? それともファンの反応が心配?

発表の日まで友達にも秘密にし続けてきたから、待ち遠しいわ……みんなと一緒に表に出れるし、誰かが見てはしないか、新聞に噂が載らないかと気を揉む必要もないしね。

長期間のツアーをしたことは? 旅をし、あまり眠れなかったりすることは特に歌手にとって大変なことだと思いますが、対処できそうですか?

ツアーをしたことはないけど、長期間のミュージカルやショーはやったことがある。だから大変だってことはよく分かるし、もちろんこれが今までにないでっかいシチュエーションで、上手く対処していかなきゃいけないことも理解している。睡眠不足とかがあっても声を保つように考えていかないといけないから、声をもっと強くできるようにボーカル・レッスンもやっている。家でショーのリハーサルもやっててて、どの曲にも夢中になっていろんなテクニックを駆使して歌えるようになってる。でも声のために睡眠は最も重要なことで、眠れるときはいつでも眠れるようにしてるわ。ツアーの時もいつでもどこでも。

新しいアルバム、そして世界ツアーにについてどんな期待がありますか?

アルバムがファンに温かく迎えてもらえるように強く願ってるし、出来れば新しいファンが増えてくれたらと思ってる。私がこの歌を歌うのが好きなこと、心から愛してやってることを聞いてもらえると思う。ツアーは自分にとってすごいことになる! 私はこれを一生待ち望んでいて、そしてここに来れたの。そして新しい「家族」と一緒に世界を回って……人生で最高の時になるよ、絶対に!

新曲の制作には参加しましたか?

いえ、レコーディングに参加するずっと前に完成していたから。

新しい曲についての第一印象は?

今まで通りの素晴らしい曲で、どの曲にも Tuomas がとても素敵なやり方でオーケストラや合唱を加えていて……バラエティ豊かで、聞いてる人は飽きることはない…… ;=) パワフルな歌もあるし、もちろん穏やかな曲もあるし、感情豊かなのもある。中にはエスニックな雰囲気も……

あなたのことについて教えてください。音楽以外で大切にしてるものは何ですか?

私はとても感情を大切にする人間で、頭じゃなくて心や腹で生きてるの……。自分にとって大切なのは、近しい人と一緒の時は自分自身でありたいと強く思うし、逆にそうでない人とはそんな気にならない……。人と一緒にいるのが大好きであると同時に、自身を映し出して自分を省みるためにも自分の空間や一人だけの機会も必要。人の話を聞き、同じことを感じ、困ってる人がいたら手助けするのも好き。でも求められてもないのにアドバイスしたりはしないけど……。ネガティブな人間は嫌いだから、努めてポジティブな人の周りにいるようにしてるの…… .;=) あと、これ出来ないよね、って言われるのも好きじゃない。出来ないことなんてない! 心の底から求めれば実現するから!

ファンに伝えたいことはありますか?

夢を諦めないで、常に信じ続けて。叶わないことなんてないんだから! ロックしよう! そしてツアーで会おうね!!

Nightwish.com